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2015.08.02

China Blue

 よく晴れた夏の朝には、好きな色でカクテルを作ることがある。それは太陽の色にモチーフを取ることもあれば、吹き込んでくる風の色に従うこともある。
 今日は、午前10時の空色のカクテルを作ることにした。涼やかな色が欲しかった。暑さのせいかもしれなかった。

 BGM代わりに流したのは、『静かな日々の階段を』。15年ほど前のその音楽に耳を傾けながら、数本のボトルを並べる。ボルスブルー、ディタ、ウィルキンソン・トニック、最後にグレープフルーツジュース。すべて、フリーザーで冷やしていたもの。
 タンブラーだけは冷やしていなかったので、ボウルに氷水を張ってくぐらせた。取り出したガラスの表面が、サッと白く曇る。クロスで軽く拭き上げておいて、キューブアイスを詰めてからディタを注いだ。たちまち辺りに漂う、ライチ独特の甘い香り。グレープフルーツジュースを加え、軽くステア。トニックで満たしてから、仕上げにマドラーに沿わせてボルスブルーを垂らす。タンブラーの底へゆるやかに、しかし鮮やかに広がってゆく、青。チャイナブルー。そういう名前の、カクテル。チャイナの単語は、中国ではなくて磁器を意味する。

 タンブラーを手に窓際へ向かう。中身のカクテルを、窓越しの青空へかざした。由来通り、陶磁を思わせる深く澄んだ青色。午前10時、夏空のそれと比べると、わずかに薄い。が、上出来だった。空からすくってきたようなそのカクテルを口に運ぶと、弾ける炭酸の合間に夏の味がした。
 よく晴れた夏の朝には、好きな色でカクテルを作ることがある。アルコールを飲む以外、何をする気にもなれないからだ。
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