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2015.06.27

Windmill

 風車が廻り続けている。
 私の部屋の窓からは、山肌に建つ風車が見える。この町に来ることがあったら、南東の方向を眺めてみるといい。町のどこからでも眺めることができるそれは、風を受けながらいつでもクルクルと廻っているはずだ。

 風車が廻り続けている。
 キューブアイスを詰めたグラスにタンカレーを注ぐ。クリスタルのように透明な氷の合間を、47.3度のジンが満たしてゆく。グラスの上でライムを絞り、トニック・ウォーターで満たす。マドラーでひと混ぜしてやると、それで完成。グラスの中でソーダが弾ける小さな音が聞こえたなら、それが美味しいジン・トニックの証。


 風車は廻り続ける。音もなく回転し続ける3枚の羽は、そこに吹く風のため。
 風力を電力に変換し続ける羽は、そこに風が吹いていることを教えてくれる。風は一年中止むことはない。私の旧友が自殺したあの日にも、そこに風が吹いていたことを私は知っている。涙混じりで見上げた山肌に、風車は変わらずクルクルと廻っていたから。

 巡る四季に世界は彩られる。寒くて白い雪の季節には白い風。リモンチェッロのソーダ割りが似合う、太陽の降り注ぐ季節には黄色の風。色こそ変われど、そこに風は吹き続ける。今日の風は、いってみれば雨色のそれ。

 風車は廻り続ける。世界から風が失われる、地球最後のその日まで。山の斜面でクルクルと。
 廻り続ける風車を窓の外に見ながら、ライムをボードに乗せた。果物ナイフの刃を入れる。ザクっと響く、小気味よい音。窓から入り込んだ雨色の風が、ライム香をまといながら私の部屋を満たした。
 窓の外に風車を眺めながら一杯のジン・トニックを傾ける。いつまでもいつまでも、グラスにジン・トニックを作り続けながら私は休日の土曜日を過ごす。
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